2008年7月7日から3日間開催される洞爺湖サミットを直前に控え、会場の北海道の洞爺湖周辺と首都東京は物々しい警備体制となっている。今年は日本が議長国ということだがそれにふさわしい役割を演じることができるだろうか?
1 サミット反対のデモ
厳戒態勢のなか5日、非政府組織や市民グループのデモ行進「チャレンジ・ザ・G8サミット ピースウォーク」が札幌市で行われたが、一部では機動隊との小競り合いがありロイター通信のカメラマンら日本人男性4人が逮捕された。
人員を投入して警備した甲斐があったということなのだが、詳しくみるとデモ側に問題行動もなく過剰警備のように感じられる。
集会の趣旨は「核も戦争もない世界をつくる、世界から貧困と差別をなくす、子どもたちにみどりの地球を残す」とサミットで議論されるテーマと変わりない。しかし、それを金持ちでかつ世界の軍事支出の大半を占める国で行うことに反対しているのだ。
気持ちはわかるのだが、主権者たる国民が民主的なプロセスで選択した政府を信頼していませんといっているようで気持ちよくない。最近の国際政治の場でNGOの役割が大きくなっているが、一部の過激な行動をする団体や、テロリストの存在により政治と市民社会が警備により分断される現状は正常とは思えない。理想を言えば、サミットで話題にするのが、警備の厳重さや、政府がどんな成果を上げるかでなく、政府が市民団体と協力して行い市民に歓迎される国際会議になることだろう。
しかし「先進国首脳会議」という名称が示す通り、原点からしてこのような動きとは相容れないものがあるのは確かだ。国連のような場では手間がかかるから実力者が集まり実質的な問題解決を図ろうということだからだ。
2 影響力が低下するサミット
日本は1975年の第一回の先進国首脳会議(G6)から参加し、1979年、1986年、1993年、2000年と過去4回議長国となり1993年までは東京で2000年は沖縄で開催した。
当初6各国だった会議は2回目からカナダが参加し、1998年の24回目からロシアが加わり現在の形になった。つまり冷戦下機能しなかった国連に代わる意思決定機関として重要な意味をもっていた。
会議にはこのほかに欧州委員会委員長はEUを代表しオブザーバーとしてG8の本会合にも参加する。これ以外に経済分野では国際通貨基金専務理事が参加する。そして2005年以降、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国の5カ国はO5(Outreach 5)の首脳も招待されていて、今回は韓国、オーストラリア、インドネシアの首脳も招待されている。
これは世界経済や環境問題などもはやG8だけでは調整ができず、サミットの世界に対する影響力の低下を示している。
3 日本に対する期待と厳しい評価
7月5日8 産経新聞は「「行方不明の日本」英紙フィナンシャル・タイムズ サミット控え辛口批評」という記事で、「7日から始まる主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を前に、4日付英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は、「行方不明の日本 姿が見えないサミット主催国」との見出しの辛口論評を掲載した。」と伝え、中国とインドの対等と政治的な自信を失った日本を批判している。
一方で朝鮮日報は2008/04/20 「「世界に良い影響」1位は日・独=英BBC調査」とあり、世界34カ国、1万7000人を対象としてイメージ調査で日本とドイツが上位にあると伝えた。つまり、この2つから言えるのは期待はあるものの努力が足りないということだ。
東西の冷戦の終焉、国際テロ活動の激化、中国、インド、ブラジル等の新興国の対等と世界秩序は大きく変化した。しかし、今の日本は社会保障や食の安全、道路建設など国内問題ばかりが重要視されている。
首相がこれらの対応に時間をとられるのであれば、国際問題に取り組む日本の代表=大統領を国民の直接投票で決めてもよいのではないか。国際社会からお叱りの言葉をもらえるうちに、大胆な変化を遂げないと、G8から日本が消えるようなことも現実味を持ってしまうだろう。
参考情報
「サミット反対で大規模デモ=「ルール勝手に決めるな」−警官隊と衝突も・札幌」
「<洞爺湖サミット>NGOなど大規模デモ、4人逮捕 札幌」
「行方不明の日本」英紙フィナンシャル・タイムズ サミット控え辛口批評」
「世界に良い影響」1位は日・独=英BBC調査」


1 サミット反対のデモ
厳戒態勢のなか5日、非政府組織や市民グループのデモ行進「チャレンジ・ザ・G8サミット ピースウォーク」が札幌市で行われたが、一部では機動隊との小競り合いがありロイター通信のカメラマンら日本人男性4人が逮捕された。
人員を投入して警備した甲斐があったということなのだが、詳しくみるとデモ側に問題行動もなく過剰警備のように感じられる。
集会の趣旨は「核も戦争もない世界をつくる、世界から貧困と差別をなくす、子どもたちにみどりの地球を残す」とサミットで議論されるテーマと変わりない。しかし、それを金持ちでかつ世界の軍事支出の大半を占める国で行うことに反対しているのだ。
気持ちはわかるのだが、主権者たる国民が民主的なプロセスで選択した政府を信頼していませんといっているようで気持ちよくない。最近の国際政治の場でNGOの役割が大きくなっているが、一部の過激な行動をする団体や、テロリストの存在により政治と市民社会が警備により分断される現状は正常とは思えない。理想を言えば、サミットで話題にするのが、警備の厳重さや、政府がどんな成果を上げるかでなく、政府が市民団体と協力して行い市民に歓迎される国際会議になることだろう。
しかし「先進国首脳会議」という名称が示す通り、原点からしてこのような動きとは相容れないものがあるのは確かだ。国連のような場では手間がかかるから実力者が集まり実質的な問題解決を図ろうということだからだ。
2 影響力が低下するサミット
日本は1975年の第一回の先進国首脳会議(G6)から参加し、1979年、1986年、1993年、2000年と過去4回議長国となり1993年までは東京で2000年は沖縄で開催した。
当初6各国だった会議は2回目からカナダが参加し、1998年の24回目からロシアが加わり現在の形になった。つまり冷戦下機能しなかった国連に代わる意思決定機関として重要な意味をもっていた。
会議にはこのほかに欧州委員会委員長はEUを代表しオブザーバーとしてG8の本会合にも参加する。これ以外に経済分野では国際通貨基金専務理事が参加する。そして2005年以降、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国の5カ国はO5(Outreach 5)の首脳も招待されていて、今回は韓国、オーストラリア、インドネシアの首脳も招待されている。
これは世界経済や環境問題などもはやG8だけでは調整ができず、サミットの世界に対する影響力の低下を示している。
3 日本に対する期待と厳しい評価
7月5日8 産経新聞は「「行方不明の日本」英紙フィナンシャル・タイムズ サミット控え辛口批評」という記事で、「7日から始まる主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を前に、4日付英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は、「行方不明の日本 姿が見えないサミット主催国」との見出しの辛口論評を掲載した。」と伝え、中国とインドの対等と政治的な自信を失った日本を批判している。
一方で朝鮮日報は2008/04/20 「「世界に良い影響」1位は日・独=英BBC調査」とあり、世界34カ国、1万7000人を対象としてイメージ調査で日本とドイツが上位にあると伝えた。つまり、この2つから言えるのは期待はあるものの努力が足りないということだ。
東西の冷戦の終焉、国際テロ活動の激化、中国、インド、ブラジル等の新興国の対等と世界秩序は大きく変化した。しかし、今の日本は社会保障や食の安全、道路建設など国内問題ばかりが重要視されている。
首相がこれらの対応に時間をとられるのであれば、国際問題に取り組む日本の代表=大統領を国民の直接投票で決めてもよいのではないか。国際社会からお叱りの言葉をもらえるうちに、大胆な変化を遂げないと、G8から日本が消えるようなことも現実味を持ってしまうだろう。
参考情報
「サミット反対で大規模デモ=「ルール勝手に決めるな」−警官隊と衝突も・札幌」
「<洞爺湖サミット>NGOなど大規模デモ、4人逮捕 札幌」
「行方不明の日本」英紙フィナンシャル・タイムズ サミット控え辛口批評」
「世界に良い影響」1位は日・独=英BBC調査」
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「行方不明の日本」のゆくえ
「中途半端で決断力が無い・・・ これ、戦後の日本を象徴するもっとも適切な言葉では無いでしょうか。」〜本文より〜 7日から始まる主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を前に、4日付英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は、「行方不明の日本 姿が見えない... [続きを読む]
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