不況の日本である現象が起きているという。それは日本共産党への新規入党者の増加である。
1 蟹工船のブーム
今年2008年の流行語大賞に79年前に発表された小説の名前があがった、それが「蟹工船(ブーム)」である。
新潮文庫で2008年上半期40万部増刷されるなど、例年の100倍の勢いで売れたという。
同小説は1929年に全日本無産者芸術連盟の機関誌である雑誌『戦旗』で発表された小林多喜二の小説で。蟹の加工船での過酷な労働とそれに抗議し立ち上がる労働者が最終的に軍に鎮圧されるという内容である。
この小説が今まさに猛威を振るっている派遣切りの状況を重なり、多くの読者の共感を呼んでいるという。この小説自体はフィクションだが元となった事件が存在している。それは明治31年の竣工した「博愛丸」という船で日本赤十字の病院船として建造され、平時は日本郵船の海上航路で使用されたという。大正15年に林兼商店に売却され、北洋漁業の蟹工船に改造、このときの作業中のリンチと過酷な労働による死者がでたという。[1]
格差の広がる日本で読者が広がり、2008年には複数の出版社から漫画版がだされ、5月2日の読売新聞の夕刊の一面に「「蟹工船」悲しき再脚光」という記事が掲載されブームに火がついた。
2 日本共産党への支持が拡大
蟹工船により厳しい生活を余儀なくされる人たちに「団結」という解決策が提示され、それが資本主義における労働の問題に原点をもつ共産党への関心へとつながり、その政策に共感し新規入党をするひとが急増し、昨年9月から今年11月までの申込者は倍増、新たに1万4000人も党員が増えたという。[2]
吹き荒れる不況と自民党と民主党の対立による政治の停滞のなか、政府の支持率や自民党・民主党どちらの支持率も下降気味なのに対し、支持率自体は小さいものの俄然勢いを増したのは日本共産党というのは注目されるべき現象だろう
支持される理由は党の綱領と規約への共感、そして入党の手軽さだという。また、日本共産党は政府の政党助成金を受け取らず、機関紙と寄付で党費をまかない、党本部のビルも総工費の半分が支持者の寄付だというから、熱烈な支持者が存在する政党で、政党助成金に頼り、支持者も無党派の風まかせの民主党の対極い位置する政党だといえる
そして2008年総選挙にむけ発表した政策の筆頭が「大企業のもうけ最優先から、国民のくらしささえる政治に」というもので、まさに派遣切りにで苦しむ若者のためにあるような政策である点が支持となったのだろう
3 党員急増は歓迎すべきことなのか?
今日食べるものに困り住むところも追われるにいたっては、その政党がどんな組織であろうが救いの手を差し伸べるものに希望を見出すのは当然のことだろう。そして掲げられた政策の「大企業のもうけ最優先から、国民のくらしささえる政治に」の7つの項目の見出しに異を唱えることも難しいようにさえ見える。
だからといって共産党に入党するというのはどうだろうか? 新規に入党した若者の夢は数年後には消えてなくなるように思えてならない。以下がその理由である
(1)日本共産党だけでは政策を実現する能力ない
理想を旨に少数で結束する政党だが、広い支持者を獲得できず議員も少ない。また共産党の政策の実現には経営者側の説得が必要であり、実現には与党と協力する道しかない。が政策が実現した後自民党は共産党を与党の一部として遇する気持ちはなく利用するだけに終わるだろう
(2)政策に雇用そのものを作るという視点がない
諸悪を資本をもつ大企業にあるとのが根本思想だが、その悪が持つ富をあっての弱者救済でしかなく、配るべき富を生み出すことには関心がない。この思想が社会を覆ったとき平等だが共に貧しい社会となったことは歴史が証明している
(3)政党として多様な価値観を受け入れる組織でない
日本共産党は徹底した平等主義と徹底した議論による民主的な党運営を行い、活動資金も企業献金によらずクリーンだと思われがちだ。しかし内部の実情はまったく逆のようである。
党員の多くは選挙公約の標語レベルでしか政策を理解できておらず、活動の大半は党費獲得のための機関紙の拡販に費やされる。党員の議論も平等ではなく、政策は有力幹部が決めそれを下部組織に徹底する方針が貫かれている。
自民党の結束が地位とお金と人望であるのに対して、日本共産党はさらに思想の面でも統制するという息苦しさがそこには存在し、理念が先行することで過去、数多くの事件を起こした過去が存在する[3]
(4)失業者自身も心のそこでは成功を夢見ている
契約社員・派遣労働者の苦しい立場にあり共産党に救いを求める人たちも、このような立場を抜け出し成功を手にしたいというのが本音だろう。自分が成功したら弱い立場の労働者のために戦おうなどと今誓っても、いざとなれば分からない。
いつの時代にも最低線は存在し上を目指すので不要とはならないだろうが、生きていく最低線の暮らしを強いられことがなくなれば自然に共産党への求心力は消えてしまうだろう。
人は貧しくとも理想と共に生きることより、理想を捨てても豊かになりたいものなのだ
若者の政治離れが言われて続けているきたが、それが労働問題と共産党への関心であっても熱意が生まれることは歓迎すべきだろう。今の状況は対策が必要だが、現実の政治は理想を掲げる革命運動ではない。蟹工船がブームであるように日本共産党もブームで終わり、社会参加の意識をもつ人々を残し終焉するように思えるならない
参考情報
[1] 蟹工船、小林多喜二、博愛丸 Wikipedia
[2] 不景気と格差社会を背景に日本共産党の党員急増 ダイアモンドオンライン
http://diamond.jp/series/analysis/10056/
[3] 日本共産党 筆坂秀世 ISBN978-4-10-610164-9
[4] 日本共産党 2008年特集 政治の中身をかえるとき――「国民が主人公」の新しい日本をつくります
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2008/20080925_senkyo-seisaku-mokuji.html

1 蟹工船のブーム
今年2008年の流行語大賞に79年前に発表された小説の名前があがった、それが「蟹工船(ブーム)」である。
新潮文庫で2008年上半期40万部増刷されるなど、例年の100倍の勢いで売れたという。
同小説は1929年に全日本無産者芸術連盟の機関誌である雑誌『戦旗』で発表された小林多喜二の小説で。蟹の加工船での過酷な労働とそれに抗議し立ち上がる労働者が最終的に軍に鎮圧されるという内容である。
この小説が今まさに猛威を振るっている派遣切りの状況を重なり、多くの読者の共感を呼んでいるという。この小説自体はフィクションだが元となった事件が存在している。それは明治31年の竣工した「博愛丸」という船で日本赤十字の病院船として建造され、平時は日本郵船の海上航路で使用されたという。大正15年に林兼商店に売却され、北洋漁業の蟹工船に改造、このときの作業中のリンチと過酷な労働による死者がでたという。[1]
格差の広がる日本で読者が広がり、2008年には複数の出版社から漫画版がだされ、5月2日の読売新聞の夕刊の一面に「「蟹工船」悲しき再脚光」という記事が掲載されブームに火がついた。
2 日本共産党への支持が拡大
蟹工船により厳しい生活を余儀なくされる人たちに「団結」という解決策が提示され、それが資本主義における労働の問題に原点をもつ共産党への関心へとつながり、その政策に共感し新規入党をするひとが急増し、昨年9月から今年11月までの申込者は倍増、新たに1万4000人も党員が増えたという。[2]
吹き荒れる不況と自民党と民主党の対立による政治の停滞のなか、政府の支持率や自民党・民主党どちらの支持率も下降気味なのに対し、支持率自体は小さいものの俄然勢いを増したのは日本共産党というのは注目されるべき現象だろう
支持される理由は党の綱領と規約への共感、そして入党の手軽さだという。また、日本共産党は政府の政党助成金を受け取らず、機関紙と寄付で党費をまかない、党本部のビルも総工費の半分が支持者の寄付だというから、熱烈な支持者が存在する政党で、政党助成金に頼り、支持者も無党派の風まかせの民主党の対極い位置する政党だといえる
そして2008年総選挙にむけ発表した政策の筆頭が「大企業のもうけ最優先から、国民のくらしささえる政治に」というもので、まさに派遣切りにで苦しむ若者のためにあるような政策である点が支持となったのだろう
3 党員急増は歓迎すべきことなのか?
今日食べるものに困り住むところも追われるにいたっては、その政党がどんな組織であろうが救いの手を差し伸べるものに希望を見出すのは当然のことだろう。そして掲げられた政策の「大企業のもうけ最優先から、国民のくらしささえる政治に」の7つの項目の見出しに異を唱えることも難しいようにさえ見える。
だからといって共産党に入党するというのはどうだろうか? 新規に入党した若者の夢は数年後には消えてなくなるように思えてならない。以下がその理由である
(1)日本共産党だけでは政策を実現する能力ない
理想を旨に少数で結束する政党だが、広い支持者を獲得できず議員も少ない。また共産党の政策の実現には経営者側の説得が必要であり、実現には与党と協力する道しかない。が政策が実現した後自民党は共産党を与党の一部として遇する気持ちはなく利用するだけに終わるだろう
(2)政策に雇用そのものを作るという視点がない
諸悪を資本をもつ大企業にあるとのが根本思想だが、その悪が持つ富をあっての弱者救済でしかなく、配るべき富を生み出すことには関心がない。この思想が社会を覆ったとき平等だが共に貧しい社会となったことは歴史が証明している
(3)政党として多様な価値観を受け入れる組織でない
日本共産党は徹底した平等主義と徹底した議論による民主的な党運営を行い、活動資金も企業献金によらずクリーンだと思われがちだ。しかし内部の実情はまったく逆のようである。
党員の多くは選挙公約の標語レベルでしか政策を理解できておらず、活動の大半は党費獲得のための機関紙の拡販に費やされる。党員の議論も平等ではなく、政策は有力幹部が決めそれを下部組織に徹底する方針が貫かれている。
自民党の結束が地位とお金と人望であるのに対して、日本共産党はさらに思想の面でも統制するという息苦しさがそこには存在し、理念が先行することで過去、数多くの事件を起こした過去が存在する[3]
(4)失業者自身も心のそこでは成功を夢見ている
契約社員・派遣労働者の苦しい立場にあり共産党に救いを求める人たちも、このような立場を抜け出し成功を手にしたいというのが本音だろう。自分が成功したら弱い立場の労働者のために戦おうなどと今誓っても、いざとなれば分からない。
いつの時代にも最低線は存在し上を目指すので不要とはならないだろうが、生きていく最低線の暮らしを強いられことがなくなれば自然に共産党への求心力は消えてしまうだろう。
人は貧しくとも理想と共に生きることより、理想を捨てても豊かになりたいものなのだ
若者の政治離れが言われて続けているきたが、それが労働問題と共産党への関心であっても熱意が生まれることは歓迎すべきだろう。今の状況は対策が必要だが、現実の政治は理想を掲げる革命運動ではない。蟹工船がブームであるように日本共産党もブームで終わり、社会参加の意識をもつ人々を残し終焉するように思えるならない
参考情報
[1] 蟹工船、小林多喜二、博愛丸 Wikipedia
[2] 不景気と格差社会を背景に日本共産党の党員急増 ダイアモンドオンライン
http://diamond.jp/series/analysis/10056/
[3] 日本共産党 筆坂秀世 ISBN978-4-10-610164-9
[4] 日本共産党 2008年特集 政治の中身をかえるとき――「国民が主人公」の新しい日本をつくります
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2008/20080925_senkyo-seisaku-mokuji.html
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