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与野党で恒久法を制定しソマリア沖に自衛隊を派遣せよ
2009-01-11-Sun  CATEGORY: 安全保障
 12月27日に私の書いたブログが毎日JPの「今日の論点!ブログ意見集 海上自衛隊のソマリア派遣」[2]のページにトラックバックされた。有名な方のブログと共に私の記事があることは光栄ことだと感じている。前回の内容はニュースを聞いた直後の思いであり、具体的に派遣についての賛否の意見をあえて表明していなかったので、今回は意見を明確にしたい

1 派遣に向けての動きと世論

 与党は「アフリカ・ソマリア周辺沖での海賊を抑圧するため、海上自衛隊艦船を派遣することなどを検討する与党プロジェクトチームの初会合が開かれた。現行法活用と「海賊新法」制定の両面を協議し、3月中旬ごろまでに結論を出すとしている。」[1]という。
 また民主党もこの問題について現時点では反対していない。しかし、政権交代を狙う民主党は政局の行方如何では法的な不備を理由に反対を言い出すかもしれない。が記事からわかることはどんなに早くとも実際の派遣は4月になるという事実だ

 ではこの動きに対し世論はどうだろうか?といっても大規模な世論調査もないので、先に紹介した「今日の論点!ブログ意見集 海上自衛隊のソマリア派遣」にトラックバックされた意見を確認した
 全体の論調は国益になるから派遣せよという意見ばかりだ。まあ個人のブログで安全保障について語る人たちだからというバイアスはあるとしても、国連の安全保障理事会の常任理事国になりたがっている政府と政治家が聞いたら喜ぶに違いない。
 主張は政治家の対応の遅れ、野党民主党への批判、現行法の不備と実際に活動するとなったときの問題点を指摘している。やはりヒゲの隊長こと衆議院議員の佐藤正久氏の意見は現地を見た元自衛官として具体的なものだったといえる

 では一般の有権者はどう思っているのか?残念ながら調査がないので分からない。予想ではあるが「日本の船舶が襲われています、もし船が航行できなくなれば石油が不足して困ります」といって意見を求められたら賛成してしまうだろう。また「機関銃やロケット弾で武装した海賊相手に自国の船舶を守り戦い、船員が誘拐されれば救うために犯人を殺害することもありうる」と説明されたら反対するだろう。実際にそこまでできるかは不明だし、実際に起きれば武器使用を巡って非難されるにちがいない

2 与野党で恒久法を制定しソマリア沖に自衛隊を派遣せよ

 私の意見は長期かつ世界的な視点から今回のような事態となった場合、日本が自国の船舶を守るため国連の承認のもと自衛隊による活動を可能とするべき、つまり派遣には賛成したいと思う。ただしこれは無条件でなく以下に示すいくつかの条件と対応如何によっては反対すべきと思うのだ

<シナリオ1>
  現在インド洋で活動する給油活動と同様の個別かつ活動と期間限定の特別法を与党単独で成立させ、自衛隊を派遣する
->この方法での派遣には反対する。理由は効果があがらない上、野党からの批判をまねき常に政争の具とされからだ
<シナリオ2>
  活動と法的根拠はシナリオ1と同じだが、法案を民主党と協議し同意の上で成立させる
  →この方法での派遣には反対する。シナリオ1よりはましだが、効果が上がらない点、期間限定であることが問題になる
<シナリオ3>
  公海における日本の船舶の安全を保障するための恒久法を総選挙の争点として公約に掲げたうえで国民に説明し、賛否を踏まえ、与野党合意の上成立させ、自衛隊を派遣する
  →派遣に賛成する最低条件である。物資を海外に依存する日本にとってはシーレーンの確保は不可欠だ。今回はソマリア沖だが他でも発生しうる。都度特別法をつくるようなことでない。また国民の同意があれば活動に制約があり効果が薄いとなれば見直す道も開けるし、自衛官たちも厳しい任務に誇りをもって望めるだろう
<シナリオ4>
  シナリオ3と平行し、海賊の発生自体をなくすべく日本としてソマリアへの産業振興など支援を具体的に実施する
  → これはぜひ行うべきだ。ただし実際にミサイル砲をもって武装する海賊がいる以上緊急措置を講じた上でないと正義を示したことにならない

 現状ではシナリオ3はハードルが高いと思われる。今行わないと困る緊急避難的なことがらでなく国として方針を決めるべき具体事案なのだからしっかり議論し判断すべきことだ。また、どのシナリオでも共通だが、日本として海賊には毅然とした態度で臨まなければいけない、人質があるからと安易に身代金で解決を計るようではだめだし、自衛隊を送る以上自衛隊の艦船の近くで他国の船舶が襲撃された場合でも対処できなければ派遣する意味はない。それができなないなら日本の船舶に武装した自衛官を乗船させるか、船員に自衛のための武器使用を認めるしかないだろう。 
 海賊たちの狙いは金銭である、相手が丸腰ですぐお金を出すから襲うのだ。また海賊とて自らの命は惜しい家族のためにも死ねないだろう、そこが政治的な襲撃とは違う点だ。
 本質的にはシナリオ4のソマリアへの日本の支援が一番望ましく、安全な海になることがよいのだ。そのためにはソマリアに船舶の寄港地をつくりソマリアに経済効果が及ぶようにしてもいいかもしれない。
 この問題は憲法の制約がどうの、武器使用がどうの、日本としての面子がどうのという次元の話ではない。特定の政党や政治家の無能を批判しても不利益を被るのは国民である。批判することで生活できるのはジャーナリストだけだ彼らの重箱をつつくような批判に時間と知恵を使うべきではない。

参考情報

[1] 産経ニュース 2009.1.10 【主張】ソマリア海賊 海上警備行動で対応せよ
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090110/mds0901100338000-n1.htm
[2] 注目キーワードで考える今日の論点 海上自衛隊のソマリア派遣
http://www.blog-headline.com/themes/0085/001268/
[3] 海賊・誘拐がソマリアの主要産業に:今年の「儲け」はすでに30億円
http://wiredvision.jp/news/200809/2008091820.html

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定額給付金 と 年越し派遣村から見えること
2009-01-10-Sat  CATEGORY: 未分類
1 定額給付金より消費税引き下げを

 5日から第171通常国会がはじまった。論戦は第二次補正予算、特に定額給付金が争点となっている。
私にはなぜこれが重要な争点なのか理解できない。もちろん100年に1度という経済危機対策であることと重要性は理解しているつもりだが与野党の対立軸になる問題だとは思えない。

 まず、この政策が打ち出されたのは昨年2008年11月。経済危機は表面化した直後、すでに2ヶ月が経過した。当初は今すぐにでも実施されるかのごとくに感じたのだがそれは誤解だった。財源と法的な準備に時間がかかるとしても、その後のごたごた、特にその給付の実務を地方自治体に任せたあたりからおかしくなった。

 ニュースでは議員が受け取り使うかに注目があつまったが、これは正直どうでもいい話だ、議員総数722名×2万円=1444万円が国庫に戻ろうが総額2兆円に影響するはずがない。
 政府はもらったら使ってほしいと望んでいる。某議員は「米沢牛を」と発言していたがこれは論外としても、4人家族で8万相当しかし1回限りのこと、物価が上がり将来の見通しが立たない今なら、日々の家計の足しか不測の事態のための予備にとって置くだろう。つまりそれが一般庶民の平均的な反応というものだ。 給付金をもらう子供なら、お年玉感覚でほしかったゲーム機でも買うかもしれないがそれとて、親が管理するに違いない。高齢者は日々の支払いの足しで消えるだろう。当初から懸念された経済効果のほどはかなりの妥当性があるといえる。  しかし、そうであっても、どの国よりも早く実施していてば日本政府の本気度を示すという効果もあったはずだそれも、2ヶ月間の攻防ですっかり色あせてしまった。実施されても残るのは箪笥預金と地自体職員の国への不満になるに違いない

 アメリカは長い選挙戦の末国民の多数の支持を得たオバマ新大統領が2年間で総額7000億ドルを超える対策を進める考えだが、いざというときには国民が政治を信頼し思い切った政策転換をできるというのがアメリカのすごいところだ。高々2兆円の政策の問題で政治生命をかけたり、政治停滞をさせることが国益になるとはとても思えない。どうせ財政健全化を撤回するのなら、3年後の消費税UPまで、現行の5%を3%にするくらい大胆に行えばいいのだ

2 派遣村から見えてくること

 年末年始のニュースを独占したのが「年越し派遣村」だった。確かに深刻な問題で支援の手が必要であることは認めるが、じっくり考えると疑問点がでてくる
 突如現れた東京日比谷公園の年越し派遣村だが、いったいだれがどんな趣旨で運営したのか、報道ではほとんど話題にされなかった。実態は労働組合やNPO法人などが共同で運営したもののようだ。派遣村の村長を務めた湯浅 誠氏は評論家・NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長で「反貧困 「すべり台社会」からの脱出」なる本も書いている。つまり、失業者の惨状に見かねて自発的に発生した支援の輪(ボランティア)ではなく、継続的な活動を行う団体が結束して行い、東京日比谷という首都で行うことで行政を動かそうとした政治色の強い行動のように感じられる。 それでも民間が支援の活動を開始したという点では評価してもいいだろう

 逆に言えば政府はこのような大量の失業者がでる予想も、それに対する支援策も考えていなかったということだ。では本当に予想できなかったのか? というとハローワークに来る人の統計か生活保護の受給者の推移を見てたはずだし、少なくとも安倍政権の時代に「格差問題」として政治課題になっていた、つまり安倍・福田内閣はこれらに対しなんら有効な対応をしなかったということだ。

 さらに言えば財界の責任だともいえる。バブル崩壊から経済が上向きになったとき、財界は派遣労働の拡大を政府に求め、過去最長という景気拡大の恩恵を享受する方向に舵を切った。そもそも大量に生まれた派遣労働者はバブル崩壊後の就職氷河期に正社員になれなかった人たちでもある。つまり産業界は既得権益として得た正社員の座を守るため、自らが追求し崩壊させたバブルのつけを二重に契約・派遣社員たちに負わせたということだ。

 以上をより広い視点から俯瞰すると低成長期となった日本において、好景気は常に財を儲かるところに集中させることで、意図されたバブルを作り出し、財をもつ人がより多くのパイを取ることで実現してきた。そして景気の後退期の調整を政府=国民に負担させたといことだ
 私はここで労働組合活動よろしく団結して権利をという主張はしない。企業経営者が悪だというつもりはない。昨年末「蟹工船」を読んだが文学として歴史的な価値が認めても今にそのまま当てはめるべき内容でないと判断した。
 競争原理の自由主義経済も、労働者の権利を強調する社会主義的な経済もどちらも正しくないということだ。1990年は社会主義・共産主義の崩壊、2008年は自由主義経済の崩壊の年として記憶されるだろう。
 企業は人間が集まり作る社会でそこには規範が存在する(コンプライアンスではない)、利益を生み、人を雇用し、利益を社会に還元するかについては、社会があり方を決めていくつまり、政治と同じく主権は消費者=国民であり、企業のあり方を消費者は国でなく企業に直接注文すべきだろう

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汝の敵と対話せよ
2009-01-05-Mon  CATEGORY: 安全保障
 2009年明けましておめでとうございます。ことしも引き続き日本の将来・政治・戦争・憲法の問題について考えていきます。よろしくお願いします。
 日本の年末年始は平和に終わりました。といっても職と住むところを失った失業者が大勢いたので、おめでたい新年とはなっていません。しかし、視線を世界に移すと中東、パレスチナ自治区ガザでは年末年始も戦闘がやみませんでした。今回は対立解決の糸口としての対話について考えます

1 <イスラエル>ガザ空爆

 「イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム原理主義組織ハマスの関連施設に対し、同地区全域にわたって大規模な空爆を実施した。ガザの保健当局によると、少なくとも200人が死亡、200人以上が負傷」「6月、エジプトの仲介で停戦し、ガザ情勢はしばらく沈静化した。しかし、11月上旬から衝突が再燃。停戦は今月19日で失効し、緊張が高まっていた。」[1] 今回の空爆は長く続く対立の再燃ということである。そして
「イスラエル軍は3日夜(日本時間4日未明)、パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を開始した」「ハマスのロケット攻撃陣地の制圧が主な目的。軍当局によると、作戦は長期間に及ぶ予定だという」[2]
パレスチナ側もロケット砲による応戦をしていたが、中東最強の力を持つイスラエルが攻撃をさらにエスカレートさせた。この地域はお互いに傷が癒えてくると新たな傷を作るという歴史を繰り返している。この問題についてイスラエルに肩入れするアメリカは「ブッシュ米大統領は3日、週末の国民向けラジオ演説でガザ情勢の悪化を招いた責任はハマスにあると非難した。」[3] と相変わらずのパレスチナ批判である。

 では日本はというと「パレスチナ自治政府のアッバス議長と電話で会談し、イスラエルとの早期停戦実現を求めた。」「イスラエルのオルメルト首相とも電話会談し、速やかな空爆停止を求め」「パレスチナ自治区ガザに食糧など約1000万ドル(約9億2000万円)規模の緊急人道支援を行う考えを表明」[4]
 つまり、電話で双方に話しをしお見舞金をだしますということだ。日本がなすべきはアメリカに対してイスラエルへの肩入れを止めるように言うことではなかったか

2 過激派と交渉する男 〜イスラム社会との対話〜

 08年11月28日 NHK BSドキュメンタリー シリーズ和解への模索 で「過激派と交渉する男 〜イスラム社会との対話〜」というオランダ製作の番組が放送された。
 番組は欧米とイスラム世界の対話を進めようとする3人とコンフリクト・フォーラムという団体の活動を紹介するものだった。冒頭、ロバート・フィスク(レバノン問題専門家)が「欧米は中東に戦車で乗り込み「民主主義を与えよう」という、しかし「もとめている自由は与えない」と指摘、そして問題の根本について「第一世界大戦後の17ヶ月間にある」といい欧米が中東を「意図的に宗教が対立するようにして外部=欧米の助けを必要とするようにした」という、そして「欧米が中東から手を引くとこ、テロリストと呼ぶ彼らと対話すべき」と主張する。
 この考えを実戦しているのがマイケル・アンクラム(英国保守党政治家 93-97年北アイルランド担当大臣)、アラスター・クルーク(コンフリクト・フォーラム設立者)、マーク・ペリー (クルック氏の片腕 アメリカ支部代表)の3人だ
 アラスター・クルークは元イギリスの諜報機関MI6の幹部で人質事件の交渉などを経験、そこから対話することで現実的な解決策を見出す重要性を認識し、それを中東問題に活用すべく立ち上げたのがコンフリクト・フォーラムというNGOである。
 マイケル・アンクラムもIRAとの対話の経験から「テロを武力で打ち負かすのは不可能だが、対話により封じこめること可能だと」いう。そしてその努力は今のアイルランドの和平として結実する。
 クルークとペリーはセミナーを開き実際にヒズボラの幹部と対話も重ねている。しかし、コンフリクト・フォーラムは平和団体ではないという。ではなにをするかというと、対立するものの間に立ち、権力により政治的に正しく使われない言葉を正しく翻訳し伝えるという役割を行おうというのです。

 対話から見えてきたのは、欧米・イスラム圏双方に一部の過激派がいてそれが政治を動かし問題を大きくしている、問題は一般の欧米人やイスラム教徒ではない。そして欧米がテロ組織とみなすハマスやヒズボラも支持者である一般のイスラム教徒の意見取り込む民主的な組織であり、支持者を持たないアルカイダと異なるにもかかわらず、対話がないため誤解が解消しない。

 番組ではハマス指導者 オサマ・ハムダン氏との対話と彼の言葉が紹介された「相手と話合うか、それとも戦うか、戦うと決めたら最終的に話合わなくてはならない。ならば最初から話合うほうべきではないか。話合わずに戦うというのは、はじめから相手を理解するつもりがない」ということだといいい、欧米・イスラム圏の双方が相手への理解を主張した。

 必要なのは「自分が話しをしたくない相手と話しをする」といい「最後までやり通すこと、途中で爆弾が爆発することを想定に入れること、そして 相手の話に敬意を示すこと」だとういう。

3 汝の敵と対話せよ

 中東問題は日本から遠く関心も低く、日本は当事者でもない。しかも問題の根は深く簡単でないことは間違いない。日本の報道はとにかく死傷者が何人であり、戦闘はよくありませんという論調だ。その地域の歴史や今行われている和平プロセスが報道されることなどめったにない。 日本が当事者である北朝鮮との交渉も、北が譲歩しないのは圧力が足りないからだとの結論で、対話をとはなっていない。つまり、先の番組での問題はそのまま日本の問題でもあるように感じる
 北朝鮮問題、中国の問題、日本の国会の与野党の対立など、とにかく相手と悪とし自身を正義とみる論調が強くなっているように感じられる。しかし、先の番組が示すとおり解決の道は対話しかない。イエスの言葉に「汝の敵を愛せよ」とあるがさすがに愛することは無理でも話すことは難しくないはずだ。
 番組の最後にアラスター・クルークが心に刻む言葉を紹介する「相手の言っていることもやっていことも理不尽で意味がないと貴方が結論づけてしまったら、方向を見失うのは相手のほうでなく貴方のほうである」

参考情報

[1] 2008年12月27日 毎日新聞<イスラエル>ガザ空爆、200人死亡…ハマス反撃宣言
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000082-mai-int
[2] 2009年1月4日 毎日新聞 <ガザ>イスラエル軍 地上侵攻を開始
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000010-mai-int
[3] 2009年1月3日 産経新聞 【ガザ空爆】米大統領がハマス非難 「一方的停戦、受け入れ難い」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090103-00000545-san-int
[4] 2009年1月3日 読売新聞 首相、自治政府のアッバス議長と電話会談…早期停戦求める
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090103-00000036-yom-pol


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2008年は混乱の序章
2008-12-30-Tue  CATEGORY: 政治
 今日は12月29日、2009年も残すところ2日、今日は家の掃除で明日は帰省で1日車の運転となります。
2007年2月からはじめたこのブログも1年10ヶ月になります。2008年の127回記事をUPし3.5日に1回のペースです
年末ということで、2008年を振り返りたいと思います

1 事件・事故
  2008年は1月の中国の冷凍餃子事件で幕を開けた。この事件の真相は12月の今も闇のなか。9月に事故米の流通事件も起こる。以前からある産地偽装や賞味期限切れ食品の再利用など、暮らしの身近なところでの信頼が大きく揺らいだ
 そして3月は自衛隊のイージス艦と漁船の衝突事故。ここでも国民を守るべき組織が問題を起こし信頼を失っていく
そして、8月の北京オリンピックが近づくと、チベットで抗議行動が発生それを中国当局が力で鎮圧したことに対し、中国が威信をかけて行う聖火リレーでの抗議行動が起きたが、四川での大地震が発生しいつのまにか中国は国際的な同情を集めてしまう

 そして今年も動機の明確でない無差別殺人が多発、もっとも衝撃的なのが6月に起きた秋葉原での事件だろう。これはまさに、12月に始まる不況と派遣切りの予兆のような事件だった。
 そして9月、アメリカでリーマンブラザーズが倒産、世界的な経済危機の火蓋がきって落とされた。急激な株価の低下と円高が進み、製造業の生産調整、そして派遣労働者の大量解雇という事態となる

 唯一日本にとってめでたい話は4人の日本人が同時にノーベル賞を受賞したニュースだけだった
こうして振り返ると、命をめるぐ事柄が軽く形式的になり、利潤だけを追求した世界が一気に崩壊した呼んでいい一年ではないだろうか

2 政治

 政治の世界では9月の福田氏の突然の辞任劇が最大のニュースだろう。2007年の安倍氏の場合は仕方ないとの納得感もあったが、福田氏のそれはその後の展開を見ても真に妥当な判断だったか疑われる。
 2007年の参議院選挙によるねじれ国会の状況は変わらず、大連立の頓挫により、衆議院の総選挙を行うまで、不安定な政権運営が続く情勢だ。そこで登場したのはかねてから人気のある麻生氏だったが、100年に1度の経済危機を受け就任3ヶ月で支持率は20%台に低迷している。
 政治の世界での事件といえば、大臣の失言問題も船出早々の麻生内閣で発生し、そして11月自衛隊の空幕長が投稿した論文が問題となり事実上の更迭という事態が発生。政治的には一件落着だがその余波は広くいまだ続いている
 日本の政局は自民党の渡辺氏の去就等もあり、21年度の予算が成立前後で大きく揺れる火種が見え、どんなに先延ばししても2009年9月には総選挙を行わなくてはならないと考えると2009年は波乱の1年になるにちがいない

 国際政治に目を移すと
 2月韓国の大統領が李明博氏に代わり、5月ロシアの大統領がプーチン氏からメドヴェージェフ氏に交代した。そして11月アメリカの大統領選挙が行われ2009年1月G.ブッシュ氏からB・オバマ氏、共和党から民主党に政権交代することが確定した。
また、北朝鮮では金正日氏の重態説が流れこの国の行方も不安さを増している。
 タイも前政権に反対する市民が空港を占拠し政権が崩壊する事件が発生、その揺り戻しの動きもあり不安定な情勢が続いている。
テロとの戦いで主戦場となったパキスタンも8月にムシャラフ大統領が辞任した

 こうしてみると。主役の交代と政局が不安定な国が目立って見える。そのなかでもアメリカの政権交代が世界に与える影響が一番大きいことは言うまでもない

3 2009年は変化の年に?

 当ブログでは上記の時事問題以外に、財政問題、天皇制、オリンピックの是非、憲法、北朝鮮問題、竹島等国境の問題、チベット問題、原爆などについて考えてきた。政治についてはどこかの政党に肩入れすれば立場が明確になるのだが、支持を表明したいと思う政党は残念ながらない
 私のメインテーマである戦争と日本の安全保障については、いろいろと情報を集め考えたがいまだ、調べるほどに奥が深いように感じられる。
 現状の延長線上に安心できる未来があるように見えない。何かを変えなければいけない、しかしその何かがわからない。今の日本の問題の根本にはやはり20世紀、特に昭和の日本の歩みとその結果が大きな影を落としていると思えてならない。
 自国の安全は自国で守る、だからといって他国のために力を振るう世界の警察になる必要があるだろうか。左右のイデオロギー優劣や、日本の安全を他国にゆだねるか、再び大国として覇権を振るうかの選択ではないと感じている。
 2008年は混乱の序章、2009年は変化の年になる。しかし日本にも政権交代実現でめでたしというほど易しい問題でないのではという予感を感じつつ2008年を締めくくりたい。

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失職8万5000人 の衝撃とその原因
2008-12-28-Sun  CATEGORY: 経済
26日厚生労働省は来年3月までに職を失う非正規雇用従業員が8万5000人を突破するとの調査結果を発表、この大きな数字に報道したニュース番組のインタビューに答えた町の人は「大きすぎて実感がわかない」「人事でない」「実態はもっと深刻では」という意見が相次いだ。今回はこの急激な変化について考える

1 厚生労働省の推計
 
 「厚生労働省は26日、来年3月までの半年間に、解雇や期間満了による雇い止めで職を失う非正規雇用従業員が8万5000人を突破するとの調査結果を発表、初めて調査した先月28日公表分の3万67人に比べ約2・8倍に悪化」[1]とあり失業問題が急速に悪化していることを数字で示した。
 「雇用形態別では▽派遣労働者5万7300人(67・4%)」「業種別では製造業が8万1240人と全体の95・6%」「都道府県別では愛知県が1万509人と最も多く」[1] とあり、連日ニュースで報じられる状況を数字で裏付ける形となった。

2 赤字に転落するトヨタ

 推計を見て分かるのが自動車産業特に著しいのがトヨタの対応だ。トヨタについては「営業損益が前期実績の2兆2703億円の黒字から1500億円の赤字に転落する」[2]。
 少し前にはアメリカのGMと出荷台数で世界一を争い、過去最高の収益を上げ、愛知県名古屋市の駅前一等地で巨大なビルの再開発など、わが世の春を謳歌していた。名古屋市出身の私にとっても両親に愛知に戻り仕事をしろといわれたくらいだった。しかし状況は一転、日本を代表する世界企業は、日本一冷酷な雇用主だったことが明るみになった。1年前この企業の問題点を指摘した専門家がどれだけいただろうか、いまだ経済と雇用の予想はだれもが悪口をいう天気予報の足元にも及ばない。

3 仕組まれた急激な変化

 ではなぜ、これほどまでの急激な変化になったのだろうか? 
私には(1)ジャストインタイム方式 と(2)経営合理化 (3)自動車はいまだ労働集約型産業 にあると思える。

(1)ジャストインタイム方式
 「ジャストインタイム方式」別名「トヨタ生産方式」「カンバン方式」という生産の方法だった。”必要な物を、必要な時に、必要な量だけ生産する”ということで非常に合理的だが、裏返せば”不必要なものは、生産しない”であり、需要の変化が直接労働力の量に変化になる。 トヨタは好景気であったとき必要な労働力を正社員でなく派遣労働者でまかなうことにした、つまり、かんばん方式よろしく労働力も必要量だけ調達できるようにと考えたわけだ。時代はバブル後の不景気のなか就職難で正社員になれなかった人材は大量に存在し、彼らを雇うトヨタは政府にとってもありがたかったというわけだ。政府はこのとき正社員として雇用するように指導しなかった。

(2)経営合理化
トヨタの「渡辺捷昭社長は会見で「激動とも言える環境変化は今後も続く。筋肉質で柔軟な体制に改善していかなくてはならない」と語った。」[2]という。経営合理化はここでは「筋肉質な」と表現されているが、無駄を廃し、不採算部門でなく得意分野(コアコンピタンス)に投資を集中させ、高い収益を上げるという経営のことである。なんの問題もない優れた考えのようだが、20世紀の日本を支えた経営手法はかつて「日本的経営」として株主よりも従業員を大切にという、欧米からみれば非合理だったことを思うと180度の転換である。経営者はバブル崩壊の低成長のなか転換を果たしたが、従業員はいまだ「日本的経営」の神話を信じていた「世界のトヨタがそんな冷たいことをするはずがない」と・・しかし現実は違った
 
(3)自動車はいまだ労働集約型産業
 自動車は先端産業なく基幹産業である。しかし電気・ガス・製鉄などが少人数で生産可能なのに対し、自動車はその部品点数と種類の多さから機械化・ロボット化の進んだ今でも多くの人手を必要とする、そして他の船舶や航行機と異り生産台数が桁違いに大きいのも特徴だろう。

 以上から、今回の不況による大量かつ急激な雇用調整は生産調整のもと行われることは、産業の構造上不可避なことだといえる。

4 真の日本の経済復活は

 会社は変化分の損失をだしスリムになって元気を回復するだろう。しかし失業した労働者は職歴のマイナスとなりその後の人生にも影響する。会社はそれも自己責任だと主張するのだろうか
かつての不況では従業員が正社員で簡単に解雇できないがゆえに、余剰人員を抱えたが、それを配置転換と新製品の開発へとつなげ次の展望を開いていた。しかし、現在は正社員に作業負担が増え、その中で新しいアイデアを生み出さなくてはいけない。果たして真の意味で企業は再生できるのだろうか
 また景気が回復すれば派遣労働者を雇い同じことを繰り返すだろう、日本人がそれに応じないなら海外から人を集めでもそうするに違いない。自動車はかつては労働者にとっても自分が生産したものをいつかは自分も手にできるという夢のある産業だった。しかし、自分が努力し生産したもが一生手にできなと知ったとき、その手から何が生まれるか経営者は今一度考えるべきだ。私はトヨタを一流企業と呼びたくない。
 政府は失業者の住宅確保や中小企業資金繰りなど緊急措置だけでなく、真に次世代を担う経営者を支援する取り組みを明確にすべきである。そのような未来が見えて初めて日本経済は復活したといえるのではないだろうか

参考情報

[1] 毎日新聞 12月27日 非正規雇用:雇い止め、失職8万5000人 先月から2.8倍−−厚労省調査
 http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20081227ddr001020002000c.html
[2] 時事通信 12月22日 トヨタ、営業赤字1500億円=最高益から一転、円高・販売不振響く
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200812/2008122200812

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